加齢や日々の間違った生活習慣によって引き起こされる「顔のたるみ」。顔のたるみは、首のたるみやほうれい線、シワにまで影響し、老けてみられる原因となります。
顔のたるみの原因としてまず考えられるのが「表情筋の衰え」です。顔には30種類以上の筋肉があり、それらは表情筋と総称されます。この表情筋が皮膚の下で支えているため、表情筋が衰えると皮膚もたるんでしまいます。
表情筋がたるむ原因には、以下のことがあげられます。
・加齢によるもの
・表情筋をあまり使っていない
■加齢によるもの
加齢によって筋肉が衰えるように、表情筋も加齢とともに衰えていきます。筋肉は、一般的に40歳を目途に衰えていくと言われています。また、筋肉は筋線維という線維が集まってできていますが、その本数も年齢とともに減少していきます。
■表情筋をあまり使っていない
まばたきや口の開閉なども表情筋が使われているように、顔の表情は筋肉で作られています。しかし、日常生活の中で使われている表情筋は全体の30%程度と言われているため、積極的に表情筋も使わなければ衰えていきます。そのため、表情筋を衰えさせないためには日常生活の中で表情豊かに表情筋を動かすことが効果的です。
肌のハリが不足すると
・顔のたるみ
・シワやほうれい線
・毛穴の開き
などの肌トラブルを招いてしまいます。
肌のハリや弾力が失われる大きな原因として、肌に含まれるコラーゲンやエラスチンの減少が考えられます。皮膚は大きく分けて、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造となっています。コラーゲンやエラスチンは、真皮に存在しています。
また真皮の約70%はコラーゲンで構成されています。コラーゲン線維は、真皮の中で網のように張り巡らされ、肌の弾力を生み出す役割をしています。そしてそのコラーゲンを支えるのが、エラスチンという線維や、ヒアルロン酸という水分を蓄えるゼリー状の物質です。これらの物質が生成や分解をし合って、肌のハリや弾力を維持しています。
しかし、コラーゲンは加齢とともに減少していきます。また加齢以外にも日々の生活習慣がコラーゲンを減少させてしまう要因となっている可能性があります。
コラーゲンが減少する習慣は以下のとおりです。
・紫外線の影響
・乱れた生活習慣
・肌の乾燥
・加齢によるコラーゲンの減少
■紫外線の影響によるもの
肌の中のコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンは、線維芽細胞という細胞で作られています。そしてその線維芽細胞を破壊してしまう原因に「紫外線」があります。
紫外線の90%以上を占めるというA波は真皮層まで届き、コラーゲンを壊したり、線維芽細胞にダメージを与えたりしてしまい、コラーゲンの減少や劣化に繋がります。
■乱れた生活習慣
日々の食生活や睡眠不足もたるみの原因となります。コラーゲンはタンパク質の一種で、線維芽細胞がアミノ酸やビタミンCを材料にして作ります。これらの栄養素は食事で補う必要があるため、不足すると線維芽細胞がコラーゲンをうまく生成できなくなり、たるみを引き起こしてしまいます。また極端な食事制限をすることも、肌がたるむ原因となります。
そして睡眠中は、コラーゲンを構成するタンパク質の合成が盛んに行われ、肌を修復する成長ホルモンが一番良く分泌される時間です。睡眠が不足すると肌の新陳代謝ができず、たるみを引き起こします。
■肌の乾燥
肌のハリは、コラーゲンやエラスチン以外にも、肌の水分量も関係しています。肌に水分をためこむヒアルロン酸が紫外線や栄養不足によって減少すると、肌の水分を十分に保てなくなります。それによって肌が乾燥し、肌のハリが失われてしまいます。
■加齢によるもの
年齢を重ねるにつれて、線維芽細胞が新しいコラーゲンやエラスチンを作るサイクルが遅くなり、古いコラーゲンの量が多くなります。古いコラーゲンが溜まると周りの細胞が劣化し、コラーゲン生成能力も衰えてしまい、肌のハリが失われるたるみに繋がります。
最近では20代の若い方でも顔のたるみで悩んでいる方が増えています。その大きな原因として考えられるのが、パソコンの使用や長時間のスマホの利用です。猫背で背中が丸くなり、アゴが突き出た姿勢を長時間続けると、首の前の筋肉が下に引っ張られると同時に頬も下方向への力が加わり、たるみの原因となります。
パソコンややスマホを操作しているときなど、猫背であごを突き出した姿勢になっていることは思いのほか多いため、意識することが大切です。
このほかにも、頬杖をつくことも片方の頬に力がかかるため、顔のたるみに繋がります。頬杖をついている方だけたるむなど、顔が左右違うという状態を招く可能性もあるとされるため注意が必要です。
顔のたるみの原因として「表情筋の低下」があるため、積極的に表情筋を鍛えることで顔のたるみ予防に繋がります。
■表情筋を鍛えるトレーニング
1.鏡を見ながら背筋を伸ばし、あごを引きます
2.口角を引き上げ、自然な笑顔をつくります
3.そのままキープします
これだけでも表情筋を鍛えることができます。表情筋は継続して鍛えることで効果を発揮します。
顔のたるみを引き起こさないためにも、栄養バランスの摂れた食生活を送ることは大切です。
特に肌のハリを保つ効果が期待できる栄養素は、以下の栄養素です。
・N-アセチルグルコサミン
・ナイアシン
・β-カロテン
・ビタミンB2
・ビタミンB6
これらを十分に摂取することで、効果が発揮されると言われています。食生活で摂取することが難しい場合、サプリメントで補っても良いでしょう。